2010年1月23日土曜日

安全文化

今日は日本技術士会・原子力放射線部会へ勉強に行ってきました。 原子力安全基盤機構の方が「原子力発電所の事故・トラブル事例から診た安全文化の劣化兆候」と題して、安全文化に関して講演されていました。 安全文化って分かりづらい話ですが、「原子力発電所の安全の問題には、その重要性にふさわしい注意が最優先で払われなければならない。 安全文化とは、そうした組織や個人の特定と姿勢の総体である。」と。 やっぱ、まだ、分かりづらいですが、個々の人間に関していえば、所謂、倫理観の低下とでも言うような話が、組織(つまりここでは原子力発電所)で起こりつつあるということですね。 そして、日本ではそれが1990年代から顕著になってきている様です。 (バブル崩壊後か...) そこで、ある人が言っていた言葉は、「最近の大学や学会では、技術者倫理というものを教育するようになってきてはいる、が、若い技術者がそういった教育を受けて社会に出ると、企業という利益を追求しなくてはならない組織の中で、その優先順位が変わらざるをえなくなってしまう。」 たしかに... 僕も、むかし、前職で機械技術者だったころ、作っちゃったものに対して構造的に問題がないということを証明することを目的(問題がないかを確認することじゃなく)として有限要素法を回したり、規格をまるで弁護士が法廷で争うようにその解釈論に持ち込んだり。 もちろん、改竄まではしていませんが... そんな中、先日のUAEの原発案件のように国際的な厳しい競争入札に曝されているわけですからね... 経営者の安全に対するコミットがと言ったって、実際のプロジェクトではコストアップ要因になりそうな問題は日常茶飯事だから、その全てに綺麗事をいっていたら赤字ジョブになってしまうだろうし...

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